非暴力コミュニケーション
NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)とは、1970年代に、アメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化され、提唱された、自分の内と外に平和をつくるプロセスです。
NVC Japan
彼女がボクの携帯を盗み見てくる

あなたは浮気をしていない前提で書きます。
もしパートナーが、浮気を疑ってLINEをチェックしはじめたら、どうします?
普通ならプライベートを盗み見られ、あなたは怒ると思います。この時点であなたはパートナーから束縛されている、自由を奪われている、精神的な暴力の被害を受けている事になるのだと思います。
で、あなたは当然

なにをしているんだ!
と怒るでしょう。たぶん怒鳴ります。きっと声が大きくなるのだと思います。
そしてパートナーは反論しつつも、怒鳴られる事によって
怖い・・・

という感情を抱く事になります。
ここがポイントなのですが、「怖い」と感じた時点でパートナーのなかに被害者意識が芽生え始めます。そして被害者が生まれれば、加害者が生まれます。つまり立場が逆転してパートナーが被害者になり、あなたが加害者になるポイントという事です。
なぜ加害者側に立たされるのかというと暴力を選択したからです。怒りに身を任せて大きな声を出す。そしてパートナーを非難する。そうする事で、あなたはパートナーを懲らしめよう、反省させようとしたわけです。つまり支配しコントロールしようとしたのです。これが暴力になります。
で、あなたは思うのです。

俺は間違っていない。彼女が悪いんだ。自分勝手に被害者ズラするな!
確かにプライベートな個人情報を盗み見られ怒る事は間違っていません。たぶんあなたに湧き上がった感情はとても自然なものでしょう。
ですが、怒って声を大きく怒鳴った事で、あなたは暴力の選択をしました。
ここが大切なところなのですが、本当に暴力の選択しかなかったのでしょうか?もしかしたら非暴力の選択もあったのではないでしょうか?

一緒に考えてみましょう。
なにを選択するか?
プライベートを見られて怒る。
怒る事によってパートナーを支配・コントロールしようとすることが暴力の選択なのですが、これは感情に身を任せて選択した行動になります。パートナーの言動に反射的に反応したわけです。ここではあなたはあなたの行動を意識して選択していません。
ここに俯瞰的な見方を加えてみますと
パートナとあなたの関係が対立構造に発展している事に気がつかないでしょうか?
人間関係を大きく3つにわけて考えると
- 対立
- 成長
- 無関心
パートナーとの関係を対立にした場合は、おのずと関係は冷めてゆく事になります。
無関心もそうです。人は承認欲求を抱いて生きています。誰しも関心をもってもらいたいし、認めて欲しいものです。無関心はおのずとふたりの関係は冷めてゆく事になります。
ふたりの関係が成長に向かう場合は、きっと二人は幸せな日々を共有できる未来があるのだと思います。
あなたとパートナーとの関係を整理したところで、もう一度、今回のあなたの選択を考えてみると、今回は「対立」に向かいました。ここで問いを立てます。
あなたの選択はふたりの未来に繋がるものでしょうか?
明日・1年後・10年後の未来に繋がる選択を心がける
今回は俺は間違っていない。だからパートナーが悪い。これは正しい事、自分は間違っていない事にこだわりました。思考がココに囚われて自分は間違っていない、自分は正しいのだ。だから相手が間違っている。だから非難するのだ。といった思考になりました。そして暴力を選択してしまったのです。
これを成長の視点でとらえて選択をしてみると、プライベートの盗み見することは間違っているが、パートナーとの関係を成長させるために、パートナーの心理や背景を探ってみると違った選択が生まれてきます。
なぜパートナーは浮気を疑ったのか?もしかして不安にさせる事をしているのか?違った視点から捉え直して非暴力コミュニケーションに繋がる選択をした場合は、あなたの言動は大きく変わってきます。

ボクのLINE内容が気になるのかい?不安な気持ちはわかるけど、たぶん君の不安はLINEを見ても晴れないと思うよ。不安が晴れるまで君の話を聞くよ。

もしかして寂しいのかい?孤独を感じているのかい?ボクが浮気をしていると不安になるのは、ボクが君を孤独にさせてしまっているのかい?ボクに出来る事はあるかい?
プライベートを盗み見られる事に対して正しい間違っているの視点ではなく、違った視点で事実を捉え、パートナーの心理的な不安に着目してみました。
ふたりの関係を成長させるために、今できる事を考えた場合、「パートナーの悩みに寄り添う選択」をしています。

少し見方を変えるだけで、違った選択が生まれてくるのがわかるでしょうか?
選択はひとつじゃない
非暴力コミュニケーションをしようと思った時に、押さえておくポイントは、反応しないという事です。
瞬間的に反応すると、おのずと選択はひとつだけになります。パートナーの行動に反応的な選択をすると暴力に発展する傾向があるのです。
コミュニケーションの手段として暴力を選択しないためには、自己連続性を押さえておくのが重要です。
今の自分の行動が未来に繋がっているのか?今の自分の行動が、ふたりの未来に繋がっているのか?
これを押さえておくだけで、湧き上がる感情に身を任せて反応しない思考癖が身についてきます。
パートナーから浮気を疑われ、スマホを盗み見られたとしても、原因やパートナーの気持ちに寄り添う選択が生まれてくるのです。そしてふたりの信頼を成長させる選択をとる事が出来たりします。

愛するパートナーとの愛ある日々が続きますように