副長日誌– category –
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副長日誌
言葉にする前
京都国際写真展 Instagramを眺めていたら、コントラスト強めのモノクロの顔が出てきた。それは京都国際写真展の広告だったが、森山大道が撮影したもので、白目が異様に浮き出て不気味な表情だった。 被写体の臭いや体温までもが伝わってきそうな写真に心を... -
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人の幅
世間はゴールデンウィークだけどデイサービスは通常営業だった。 スタッフの誰もがGW気分じゃなくて、テレビを見ると世間は最大16連休というニュースが流れていた。潮干狩りしている家族だったり、万博のあった舞洲でネモフィラ祭りが開催されていたり、海... -
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勝負どころ
いつものように、営業が終わり、パチパチとパソコンを叩く音だけが響いているハズだったが、中山(仮名)スタッフが、音声入力をしているので、横でぶつぶつと話す声が聞こえてきていた。 そのぶつぶつ話す独り言に、僕は集中力を切らして、僕は半ば仕事を... -
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うまくいけばいいけれど・・・
ガスコンロのスイッチを押して、カチカチと鳴った後に、ボッっと青い火が燃え上がった。フライパンを乗せて油を入れる。静かに温度が上がってゆく。食パンをオーブントースターに入れて4分ダイヤルを回し、コーヒーメーカーのスイッチを入れて、すぐにポコ... -
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埃だらけの日曜日
「いつ寝たんだろう?」 僕は記憶を探していたけど、一片のキッカケさえも引っかからず、ただ僕は息をしているだけの肉塊だった。時計の針は朝6:00を指していた。 掛け布団は体に絡まってはいて、敷布団からカバーは外れていて、寝室というよりは、洗濯物... -
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炊飯器
炊飯器を買った。 炊飯器は2019年8月に、家族がいなくなった時に、炊飯器も無くなった。 家に帰ると誰もいなかった。「どこか出かけているのかな?」と同時に、なにか空気が薄いような息苦しさが、ぶわっと通り過ぎてから、ドアがやけに軽くパタンと閉まっ... -
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見え始めてきた
「主任、全く休めませんね。今、水曜日が利用者さん少ないから調整してみましょうか?」 今は相談役になった東側(仮名)スタッフがシフトの調整をしてくれて、やっと僕に丸一日フリーな休みができた。 「主任、今日は休みですね。」 夜勤明けの僕に向かっ... -
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余白のある距離感
祭礼団体(かつて僕が所属していた)の同級生と三徳で呑んでいた。 「息子、元気にしているんか?」 そう僕に尋ねた水野は、結婚なんかしないという考えをもっていて、僕と同い年のわりに、肌がピチピチで年相応より若くみえる。本人に聞くとセックスしま... -
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「Count on me」
僕は念願の大型免許を取っていた。「 今度ツーリング行こうぜ。」 とか、「主任、次の日曜日、一緒にツーリング行きませんか?」とか。ついには「ツーリングクラブ作ったから、お前部長な。ツーリングの計画を立ててくれよ。」 と、強引にツーリングクラブ... -
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目盛りのない定規
「お疲れさま」と中山(仮名)スタッフが帰り支度をして僕に言った。 「また明日の朝が、すぐにやってきて、おはようございますだよ。」 中山さんが仕事を終えて帰って、僕はここから僕は晩御飯をつくり、なんだかんだ仕事をしていると、あっという間に朝...