生きる強さはどのように生まれるのか?(生きるのが辛い時)

 

 

 

太陽が本当に気持ちがいい。冷たい風が気持ちいい。

 

 

車を走らせながら利用者さんを迎えに行く。太陽に向かって走るので、フロントガラスに差し込む日光を体いっぱいに浴びる。ウインカーを出して、右折し国道へ入ると、1車線から3車線になり視界が一気にひらける。アクセルを踏み込みスピードを上げていく。朝日は道路に影のコントラストを作り、光と影が折り重なった道を車は走り抜ける。

 

 

最初の仕事。デイの送迎で一番遠い利用者さんのところまで時間にして20分のドライブ。途中コンビニに寄り朝ごはんを買う。いつものルーティンだ。午後の紅茶とシンプルなパンで脳に糖分を送り込み次第に頭が冴えて仕事モードへ入ってゆく。

 

 

 

女性の逞しさと強さ

だいぶ山の方まで来た。ここらの地区は旧家が多く、瓦のある立派な家ばかりが建ち並んでいる。 昔ながらの村といった感じで、隣近所のネットワークが強く地域とのつながりも強い地域になっている。こういったところは、介護は嫁がするものだといった昔ながらの考えをもつ家庭が多く、僕たち専門家が立ち入るには敷居が高い。なぜなら、どの家も隣近所の目を気にするからだ。

 

 

介護とは嫁がするものだといったジェンダー感覚は、役割がハッキリしている。育児や家事、介護は女性。男は仕事にいき、地域に出て飲んで帰る。このようなジェンダー感覚が根強く残る。

 

 

特に、顕著に見られるのが80代の夫婦。 夫にどれだけ手間をかけられても、女性は夫を支え続けている。愚痴もこぼしたいときもあるだろう。イライラもするだろう。それでも成り立つ夫婦像はその世代の人しかわからないのだと思う。古き良き時代。昭和の世代。

 

 

ただよくよく観察していると、夫は一見好き勝手してそうに見えて、妻によって行動が縛られている。家の中で奉られてはいるが、実際はそうではないらしい。嫁姑の苦労を乗り越え、家の隅々までを知り尽くした妻が夫の手綱を引いていると、そういったところなんだろう。

 

 

こういったことはジェンダー感覚はない街の中でもよく見られる光景だ。多分昔は「俺についてこい」と言ったトラック野郎と思われる方でも、今では妻の事を「お母ちゃんお母ちゃん」といい、車椅子に座ることを許されず、リハビリだといって夫を4点杖で歩かせているのを見ると、女性は逞しいと感じる。

 

 

この女性の強さや逞しさは、どこから生まれてくるものなのだろうか。男性は若い時は強いだろうが老いては心身ともに弱くなるのはどうしてなのか。

 

 

能界で言えば木希林と田裕也。この関係性が典型的で、樹木希林は闘病を最後の最後まで続けて女優人生を生き抜いたが、妻を追うように逝ってしまった内田裕也の儚さを思い出す。

 

これに関しては介護支援専門員の研修なんかでは何度も勉強する。人との繋がりの中で身を置くと、他者と関わり合いのなかで生きる力の源が湧き出るということだ。これは国が提示する資料にも書かれており、地域包括ケアシステムのなかでも高齢者のボランティア活動や、社会での自分のスキルを活かす活動が推進されていたりする。

 

 

 

男性と女性の地域活動の差

性は特に定年を迎えると仕事のつながりが無くなる。それまで築いてきた関係性がそこで終わる。そして関係作りしてこなかった地域で孤立してしまう。全部が全部そうではなく、社交的な人は、町内会や老人クラブ、または趣味の集まりで自分の世界を再び作り上げることができる。ただし、それは一部の男性の話。大半の男性はどうしても孤立傾向になってしまうようだ。

 

 

 

一方、性は、育児の時代はママ友といった繋がりを作る。子供会では育成会のメンバーとの横のつながりができる。そして婦人会に入ったり、老人クラブといった形で、地域で途切れることのない人間関係を作っている。その人の輪の中で愚痴を言い合い、人の噂話に花を咲かせ、本当に生産性のない会話の中に、自己のストレス発散、メンタルケアを行っているし、繋がりがあるからこそ孤独感は感じる事もないだろう。

 

 

女性のほうが地域関係性は濃く、男性は薄い傾向にある。ただ男性女性限らず、人の輪の中で自分の暮らしを成り立たせることができる人は、メンタルケアを行えて孤独感の解消にもつながり、結果的にいきいきした暮らしを手に入れている。それは強さであろう。

 

 

 

反対になんらかの理由で孤立化する人は、生涯にわたって孤独を抱え続けてしまう。孤独感はメンタル疾患を生み出し、それが体の機能に影響を及ぼす。生活不活発となって閉じこもり傾向になる。それが孤立化をさらに推し進めてしまう。寿命を縮める原因になる。

 

 

 

 

地域から孤立するリスク

孤独感を抱え続けるのは心身に悪い影響を及ぼす。ひとり住まいの高齢者を見ているとその明暗がよく分かる。

 

 

人との繋がりを作り積極的に人の輪の中に入っている高齢者は、足腰が強く笑いがありよく喋る喋る。エネルギッシュで自分の人生を謳歌している。他方で、友達を作らず社会的に孤立化したひとり住まいの高齢者は、閉じこもってしまい、外出機会が減るので、足腰が弱ってゆき、ついには買い物さえも支援が必要なり介護サービスを利用しなければ自立した生活が出来なくなっている。

 

 

また、うつ病とはいかないまでも生活意欲低下などのメンタル疾患を抱えていたりする。悪循環のスパイラルにはまり込み寿命を縮めてゆく。

 

 

 

 

他者との繋がりをつくるメリット

こう見ていくと人との他者とのつながりは、自分の生活の質を上げてゆく。日々の暮らしのなかで抱えるストレスは、他者との関係の中で相互にメンタルのメンタルケアされてゆく。意欲を落とさず困難に立ち向かってゆく精神的な若々しさがあり、生命力を湧き出させている。

 

 

人は何かしらのコミュニティに所属することで、知的好奇心をくすぐられ、他者との関係性に適度なストレスを感じ、脳の活性化、意欲の増幅、感情の抑揚が心の活動を活発化させ、この好循環がが身体活動へとつながってゆく。

 

 

 

自分に合うコミュニティーで生きる意欲が生まれる

参加するコミュニティの種類としては、ボランティアなどの社会奉仕活動で社会的に意義のある活動で自尊心を生み出してもいいし、興味のあること例えば趣味のサークルなどの活動をして、楽しみ生き甲斐を持ってもいい、また健康ブームなのでスポーツジムに通うのもいいだろう。そこで顔見知りの知り合いなどができると共通の話題で盛り上がれる。またお小遣い稼ぎでちょっとしたバイトをして、その中での人間関係を作ることもできるし、今までの仕事のなかで培ってきたスキルも活かす事が出来るので、再び社会の役にたつことが出来たりもする。

 

 

大切なのは暮らしのストレスから少し離れたところで、自分に良い刺激を与えてくれるコミュニティに所属する事が大切だと思う。

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