デイサービスの運営をしていると
スタッフとの目線の違いに悩まされる事があります。
経営者は会社の事を考え、管理者はチームの事を考え、スタッフは利用者さんの事を考え仕事をしていたりするので、視点が変われば見方も変わる。時にスタッフと衝突する事もある。
営業日が月~土曜日の場合、利用者さんの受け入れためにスタッフを配置しないといけないんですが、スタッフ各々に勤務の希望日があるわけです。
この場合は、勤務日の少ない人の希望から埋めていくという形をとります。雇用を独占しているスタッフには少し我慢してもらいます。
例えば、
週2日働いているスタッフは、勤務希望日を聞く。
土曜日の勤務者が見つかりにくいので、勤務日数の多い人にその負担をしてもらうわけです。週1日しか働かないスタッフで、敬遠されやすい土曜日だけ勤務で求人を出しても、まず見つかりません。
ここで責任者が考えている事は
デイの人員基準を満たすスタッフの数を揃える。
人員基準違反にならないようにシフトの調整を行う。
一日の売り上げと人件費のバランスをとる。
会社の事を考え、チーム全体の事を考えて、スタッフ全員の幸せを考えて判断する。
だけどスタッフ目線でいくと、また景色は変わってきます。
ここでスタッフが考えている事は
平日に働きたい。
土日は休みたい。
まとまった雇用でお給料をもらいたい。
土曜日は働きたくないという意見があります。学校や保育園が休みで育児と家事に追われるからかもしれません。子どもとの時間を持ちたいので土日を休みたいのかもしれません。
いずれにしろ見える景色が違うゆえに摩擦は生まれます。それゆえ責任者はスタッフから不満を浴びせられてストレスになる事がある。このストレスは「わかってもらえない」という理解されないストレスです。みんなの幸せを考えての判断なのに理解されないのですから辛い。まわりは敵だらけで孤独感を感じる事もある。
この状況がしばしば生まれるのは、背負っている責任の大きさの違いなのです。ひとりひとりの意見は吸い上げて叶えてあげたい。だけどそればかり聞き入れておれば現場がまわらない。責任者は現場をまわして売上を上げて、スタッフの経済的な幸せを実現するという責を課せられています。
責任のある者と、責任のない者とでは、おのずと見える景色が違うのです。だから摩擦も起きて対立も起こる。
そしてスタッフと責任者は対立する
ただお互い大人なので感情的になり態度に出していれば対立はますます深まるばかりです。大人の対応で現実的な折り合いをつけてゆく道を選ぶのが常識的な判断になります。
しかし、折り合いつかず収まるところに収まらない。スタッフから感情むき出しで対立を鮮明にしてくる場合があり、感情に振り回されたスタッフの対応に苦慮する場合があります。そんな時、責任者には、ある一定の行動基準が求められます。
行動基準をもっていないと感情に感情で反応することになります。相手の感情に反応して感情的に対応にあたり事態は悪い方向へ向かう。責任者は更に孤立を深めてゆくという最悪なケースが待っています。
感情は上手に扱えばスタッフのモチベーションを上げてくれますが、一旦歯車が狂って制御不能になると双方に大きな傷痕を残して、人間関係の破綻、信頼失墜など、殺してしまうことだってある。
責任者が備えておく行動基準
なので感情むき出しのスタッフには以下の行動基準が求められます。
とまぁ、こんな感じで相手のペースに乗せられないようにしたほうが賢明です。
そもそも背負っている責任が違うので、見える景色も違うのです。一部分にカリカリと感情的になっていたら身がもちません。全体像を把握し、みんなの幸せをつくるために、ひとつひとつ判断してゆくのですから。
なので責任者のほうが、負けてあげるといったスタンツで一歩も二歩も譲りながら、だけども大切なところは押さえておく。
さぁ、一気にまとめに入って、「絶対にやっちゃいけないこと」でこの記事を〆ます。
部下の土俵で戦うな
相手の目線に降りていき、相手の土俵で戦ってはいけません。一気に不利になります。なぜなら責任者のほうが権限が高いのですから、一般的にいう権限に任せたパワハラになってしまいます。
今は被害を訴えれば訴え勝ちですから、パワハラされたと訴えれば被害者になれます。自動的に責任者のほうが加害者です。なので相手の土俵で戦うのはバカげているのです。
責任者の重責を背負っているのですから、マイペースでみんなの幸せのための判断をすれば良い思います。それを部下に解って欲しいというのはおこがましい。責任者という立場はつらいのです。
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