1945年(昭和20年)戦後初めてつくられた松竹映画「そよかぜ」が公開された。
リンゴの唄は並木路子のヒット曲。戦後のヒット曲第一号。第二次世界大戦後の日本で初の映画「そよかぜ」の主題歌であった。
サトウハチローが作詞を担当している。戦時中に作った詩であったが「歌詞が軟弱すぎる」という理由で検閲にとおらなかった。という事だった。しかし現在では当時の記録から脚本を読んでから作られた歌詞だとわかっています。
レコーディングの時、「もっと明るく歌うように」とオーダーした。しかし当時の並木路子は戦争で両親と兄を亡くしていたので明るく歌える気持ちではなかった。だから何度もやり直しをしたそうです。
リンゴの唄は並木路子と霧島昇のデュエット曲で発表されてます。これは社会が戦後のうっそうとした時代。闇市・焼野原・買い出し列車などの雰囲気のなか明るい歌になります。人々が悲しみから立ち直ってゆく時の希望の歌になるわけです。ヒット曲になるだろうと思った霧島昇が一緒に歌わせて欲しいと要望したとのことです。
リンゴの唄は並木路子の歌だと知られていますが、映画のなかでは霧島昇も一緒に歌われていました。
赤いリンゴに くちびる寄せて
だまって見ている あおい空
リンゴはなんにも 言わないけれど
リンゴの気持ちは 良くわかる
リンゴかわいや かわいやリンゴ