人間 この愚かですばらしきもの
「南條 亮」
この本はフルカラーのジオラマの写真集です。接写で撮影しているので、人々の息づかいや、町の雑踏が聞こえてきそうな臨場感がありました。
目次
時代背景は
戦後の日本といった感じを受けます。戦後の物のない時代。闇市とかあった時代に焦点を充てているのかなと感じました。
この本の活躍する場は
デイサービスで一冊あれば、懐かしんで眺める利用者さんがいると思います。
グループレクリエーションにあまり参加されない傾向にある男性利用者さんが、コーヒー片手にこの写真集を眺めて「ボクらの時代はなぁ・・・」とスタッフと会話されているイメージかなぁ。
実際に、ボクは福祉施設で働いているのですが、この写真集をみんなで眺めて盛り上がりました。
「松の木に缶をぶら下げて、次の日に見に行くんや。そしたら油がぎょーさん入ってる。それを先生のところへ持っていくんや。それがゼロ戦の燃料になるんや。松根油っていうてな・・・」って、戦後の写真集を眺めていたのに、いつの間にか戦時中の話になっていたりしてました。
普段はほとんど話さない男性利用者さんが、話し始めるキッカケをつくってくれた本がコレでした。