2000年(平成12年)東京ドームで応援の鳴り物を禁止する試合があった。巨人VS横浜の試合で鳴り物を一切使用せず生の音を楽しむ「球音を楽しむ日」を、当時の巨人監督長嶋茂雄が実施する。
鳴り物の歴史
鳴り物応援団の歴史は、戦後の大学野球・社会人野球の頃からはじまります。当時はプロ野球より人気でした。はじめての天覧試合は昭和22年大日本土木VS豊岡物産でした。プロ野球の天覧試合はそれから12年後の阪神VS巨人です。これから考えても鳴り物応援も大学野球・社会人野球からだとわかります。
プロ野球での鳴り物応援団のはじまりは広島東洋カープ。ファンがトランペットを持ち込んで応援したというのがはじまりになっています。
鳴り物のない球場の魅力を知るまで
鳴り物応援団はどんどん派手さを増してゆくなかで、好ましく思わない者も一定数はいました。
応援倫理三則
1984年プロ野球50周年で応援倫理三原則がつくられ応援団に自粛を求めました
- 応援を強制しない
- 耳をつんざく音や太鼓などを鳴らさない
- 大きな旗をふって観戦をさまたげない
しかし、これは守られることはありませんでした。球団側が選手別の応援歌が録音されたカセットテープなどを売ったりと、球団側の協力も得られず立ち消えてしまいます。
大リーグの観戦機会が増えてくる
近鉄バッファローズの野茂英雄が大リーグに移籍したのをキッカケに、日本の野球選手が大リーグへチャレンジする機会が増えてきます。
つれてテレビ放映もされるようになり、鳴り物応援のない野球観戦の魅力が伝わってきました。ファンも鳴り物のない観戦を希望する人もちらほらと増えてきて、芸能人や文化人などがテレビメディアで鳴り物のない野球観戦について話題にあがってきました。
そしてついにファンなどの意見を取り入れるカタチで長嶋茂雄監督が動きだします。
球音を楽しむ日として鳴り物自粛の1戦が行われるようになりました。これが平成12年6月14日の事だったわけです。
他の球団でもイベントとして行っている
- 2017/5/23オリックス・バファローズVS東北楽天ゴールデンイーグルス戦
- 投打球が奏でる「球音」を感じる野球そのものをより楽しむイベント
- 野球観戦をシンプルに楽しむ日
- 太鼓・トランペットを使用しない応援
楽天・星野監督が仙台で「球音を楽しむ日」をやろうと言いだした。
観客は9649人と、このシーズンの1試合平均1万6225人を大きく割り込んだ。
「後半から一部の楽天ファンがチャンステーマを歌い始めた」という。
結局、鳴り物と大声で応援したい観客がいかに多いか、改めて証明されるという皮肉な結果に終わったのだ。
コロナで無観客試合
寂しい無観客試合。私設応援団の鳴り物がないので、野球の音がはっきりと聞こえる。
- スパーン!と投手の快速球が捕手のミットに収まる
- それを打者がカキーン!と鋭くはじき返す
- その打球をさばく内野手同士が掛け合う声
「球音」が非常に新鮮でした。音が心地良い。そんな意見が寄せらた。
施設応援団との交渉
- 私設応援団に鳴り物を控えるようお願いするのは大変だった
- 相手球団の私設応援団に理解を求めた。
- 険悪な雰囲気になり交渉どころではなかった