久しぶりの歯医者で心の詰まりも削られた話

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久しぶりの歯医者で、心の詰まりも削られた話

久しぶりの歯医者へ行ってきました。
気がつけば前回の通院は2019年(令和元年)。
まる6年ぶりという長いブランクです。

本音を言えば、ちょっと億劫でした。
今日の台風15号の対応で、午前中はてんてこまい。
午後からやっと落ち着いた…と思ったところでの歯医者。


それも「詰め物が取れた」という、ありがちな理由です。
居酒屋でトンカツを食べてたらガリっとなったわけですよ。

左奥歯に大穴が空いて尖った歯が、舌に刺さる。
痛みで重い腰を上げたというわけです。

あれ?先生、キャラ変わった?

13時に予約を取って、いつもの歯科医院へ。
ところが、椅子に座って驚いたのは、先生の変貌ぶりでした。

僕の記憶の中では、無口で淡々とした印象の女性医師。
それが今日に限って、いや、たぶん最近はずっと、もうずっと喋っているんです。

治療の合間に雑談じゃぁないんですよ。
ウィーンと歯を削りながら話しているんじゃないんですよ。
話し出すと、先生の手が完全に止まるんです。

削る音は止まり、器具も置かれ、こちらの目を見ながら真顔で人生を語る。
僕が何かを返せば、それにまた反応して話が深まる。

これを何度か繰り返してるうちに、ふと気づくんです。

ライカー副長

これ、終わるのか……?

話題は、歯より人生。

先生が結婚してから変わったと言うと、
「そうなんです!実はうちの夫が…」と愚痴がスタート。

ワンオペ育児の苦労、家事の分担、夫のつっこみどころ満載な言動。
あれやこれやと聞いているうちに、僕もつい話し始めてしまいました。

離婚して価値観がガラッと変わったこと。
息子が留学に行って、遠くから見守る親の気持ち。
娘が大学院生になり自分の道を頑張っていること。
そして、まだ僕はどこかで元妻のことを思い続けていること。

話しながら、あぁこの話、自分でもまだ整理できていないんだなと、
なんとなく気づいてしまうんですよね。

気がつけば話題は、家庭・結婚・子育て・未練と、
人生の節目ばかりをなぞるような内容になっていました。

治療のついでに、心の詰まりも。

16時に診察室を出たときには、
身体よりも、心のほうが軽くなっていた気がします。

4時間もかかった理由は明確です。
3時間はしゃべってた。

もはや診療ではなく、人生の共有時間
歯を削る代わりに、心の奥をちょっとずつ削られていった、そんな感じ。

歯医者って、治療だけじゃないんだなと、ふと思った午後でした。
まぁ、僕もたいがい先生のプライベートのカウンセリングしましたけどね。

結婚してから笑い方がかわいくなったなと。
かわいくなったというより、自分を出せるようになったのかな。


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この記事を書いた人

福祉事業の経営をしてます。①小規模多機能のケアマネ②現場の介助③厨房で料理作り④体操教室など地域ボランティアをしています。
「やってみる」を軸に人生の幅を広げます。ウインドサーフィン・登山・カメラ・バイクはSV650・競馬・FX・株式投資・投資信託などなど。体験を記事にしています。

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