日本が中国との国交正常化に向けて動く。
当時はアメリカVSソ連の冷戦時代。アメリカは中国を味方につけて、ベトナム戦争で中国に味方して欲しい思惑がありました。
アメリカが極秘の訪中をして米中関係を動かし始めたので、日本も日中関係の改善に向けて動ける環境が整いつつありました。
1972年7月
田中角栄が総理大臣に就任し、9月に訪中しました。そして田中首相は中国に謝罪。日中国交正常化を日中共同声明で出しました。
1985年
ソ連ゴルバチョフ政権が樹立。中国とソ連の関係が近くなり、中国は日本に対して距離をとるようになります。
1990年代
には中国の測量船が東シナ海で見られるようになり、日本は中国の動きに警戒するようになります。
アメリカと足並みそろえて中国に対しての警戒にあたりたい日本でした。しかし当時はアメリカと日本は貿易摩擦で関係がぎくしゃくしていました。クリントン大統領は日本に立ち寄らず、9日間も訪中するなどアメリカを思うように味方につけれず、2001年9月に世界同時多発テロが起こります。
アメリカの関心は中国どころではなくアフガニスタンに移ることになります。
2001年
GDPは中国が1.3兆円。日本が4.4兆円だった。
2009年
オバマ大統領が就任するも中国に対しては融和政策。アメリカが黙っているので、中国は次第にアジアにおける存在感を強めて、南シナ海・尖閣諸島の覇権争いをフィリピン・中国・日本とにらみ合うことになってきます。
自衛隊と日本駐留のアメリカ軍は中国の脅威を知りつつも、オバマ大統領に危機共有までいかず、中国は更にアジア諸国に圧力をかけてくることになります。
2010年
中国が世界第二位の経済大国となった。
2020年
トランプ大統領の就任でアメリカは中国への態度を明確にします。ポンペオ国務長官が「今、行動しなければ、中国共産党はいずれ我々の自由を侵食し、自由な社会が築いてきた規則に基づく秩序を転覆させる」と演説して中国との対立姿勢を打ち出します。
2021年
GDP 日本4.4兆円で、中国が17.5兆円。経済成長が大きく飛躍してきている。比例して軍備増強とアジアの覇権を狙っている。
2022年
年国交正常化50周年になりました。岸田首相は「日本は中国との対話について常にオープンだ」と述べたが中国との会談は行われていない。安部晋三元首相の国葬参列も現職閣僚の参列がなかった。
アメリカは台湾を訪問し、中国は内政干渉だと反発する。日本人の7割が日中関係の状況に知らないと答え、4割が中国に不満をもっている。日本企業の中国進出は減少傾向にあり過去10年間で最も低い。中国で事業展開するリスクだけが高まっているからだ。
日中関係は経済重視から安全保障重視へと移り、民間企業のほうが中国と距離を置き始めた。