突発性難聴と飲み会での出来事

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ストレスと気温の変化で

ふと気づくと、右耳に「キーン」という音が響いていました。

僕の声も、誰かの声も、割れて聞こえる。
音がうまく形を保てずに、耳の中で砕けていくような感じです。

何度か経験がある感覚。
これは、たぶん突発性難聴の前触れだと思いました。

以前にも同じ症状が出たことがありました。
あのときは、何とか耳鼻科に駆け込んで、ステロイドをもらって乗り越えました。
でも、今回はどうだろう。

昔に行ってた耳鼻科はイオンの改装でつぶれてしまいました。新しく探さなくちゃいけない。

耳鼻科探し

突発性難聴は、時間との勝負です。

これまでの経験からも、放っておけば治るようなものではないとわかっていました。
むしろ、時間が経てば経つほど、聴力の回復は難しくなっていく。
一度、症状が「固定」されてしまうと、そこから先はもう戻らないことだってあります。

だから、ゆっくりと耳鼻科を探している時間はない。

仕事を終えた夜、スマホでと検索して、
できるだけ早く対応してくれるクリニックを探します。

その中に、近所にある一件の耳鼻科が見つかりました。
診療時間もギリギリ間に合いそう。

ただ、レビューを見ると星は2.7。

……正直、不安になります。
でも、今の僕には選択肢がないのです。

ベテラン医師の手荒い治療

待合で待っていると呼ばれて返事したら
診察室に通されて湯婆婆に「もっと大きな声を出しなさい」と注意される。

ライカー副長

しんどい時に大きな声はだせねぇよ おばば

ここの看護師が良い味だしていて
まるでトトロに出てくるおばあちゃんのような
昔の助産婦かと思われるような看護師がせかせか動き回っていた。

ハイジのおじいちゃんが診察をしていて
穏やかそうだけど偏屈なところがあるような風貌
ベテラン医師という感じで看護師と信頼関係がバッチリ築けているんだろう。

患者を次々とまわしている。

で、僕は長椅子に案内されて、前の方が呼ばれて次が僕の番になった。

前のおっさんは、かなり症状が悪いのか。結構診察時間が長い・・・。
仕切りがないので治療が筒抜けで見えてしまうのだが
診察椅子のリクライニングを最大までして
ベットのようになっていた。

ライカー副長

あんなの初めてみたな

筆頭の助産婦みたいな看護師が患者の顔を抑え込み
他の看護師たちが体を抑え込み
ベテランのハイジのおじいちゃん医師が何か指示をしながら治療をすると
前のおっさんは気分が悪くなり動かなくなった。

そのままベットに運ばれ点滴され始めた・・・

ライカー副長

すげぇ手荒な治療なんだな。マジかよ・・・

僕の名前が呼ばれたんだけど、その患者の治療を見ているので不安になる。
すげぇ不安でドキドキしたけど治療は無事に終わり
診断はやっぱり突発性難聴だった。

気絶するぐらいな治療されなくて良かった・・・

あのおっさん・・・
あの後どうなったんだろう。無事に帰れたんだろうか。まさか救急車呼ばれてないだろうな。

その後の飲み会

風がやわらかくなってきた夜、久しぶりに誘われて、友達との飲み会に顔を出した。

注文はハイボールを注文する前に「水」を注文した。
薬を飲むためだ。

友達

居酒屋でクスリを飲む奴はじめてみたわ・・・

ライカー副長

まぁな。それより白州を一杯たのんどいて

白州を久しぶりに飲んで、それから余市を注文して、久しぶりに味わうスモーキーな香りに酔いがまわってきた。

話の流れで、ある友人がぽつりと語りはじめた。
「浮気されてるみたいやねん。証拠つかんで離婚するわ」
お酒が進んでいたせいか、妙にあっけらかんとした口ぶりだった。

ライカー副長

もう振り切っているんだろうな。ここに至るまでいろいろとあったんだろう。

その話から、なぜか僕の元妻のことへと話題が移った。
「たしかお前も…奥さん、浮気して出ていったんやろ?」と。

どこで仕入れたのか分からない情報を、まるで真実かのように語る友人。
僕は黙ってきいていた。

ただ心の中ではこう思っていました。
——それは違う、と。

元妻が僕の元を去った理由は、そんな単純なものじゃない。
当時の僕たちはお互いに余裕を失っていて、その結果、距離ができてしまった。
それ以上でも、それ以下でもない。


他人の物語と僕の思い

人は、ときに他人の出来事を、自分の経験や一般論に当てはめて「物語」をつくる。
それが悪いことだとは思わないけれど、実際のところ本当の理由や想いは、当事者にしかわからない。

帰り道の夜風の中で、
僕はまだ元妻を信じている自分に気づかされた。
誰にどう言われても、僕の思いは変わらないのだと思います。

「何かを取り戻そうとしているのかもしれない」
そんな自分を感じながらも、同時に「叶わぬことだ」とも理解しています。

静かな夜道を歩きながら、右耳に再びキーンと耳鳴りが始まりました。
それでも、心の奥に残る信頼だけは、今も揺らいでいないように思います。

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この記事を書いた人

福祉事業の経営をしてます。①小規模多機能のケアマネ②現場の介助③厨房で料理作り④体操教室など地域ボランティアをしています。
「やってみる」を軸に人生の幅を広げます。ウインドサーフィン・登山・カメラ・バイクはSV650・競馬・FX・株式投資・投資信託などなど。体験を記事にしています。

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