ため息に寄り添う

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最低な一日のはじまり

ふと目が覚めた。あたりはもう明るくて、太陽がでているらしかった。時計を見ると7:30分をさしていた。「あぁ、もう朝か、はやく起きないと」と思ったけど、身体はぴくりとも動いてくれはしなかった。

休みがつぶれていくことや、休憩なしでぶっ通しで働くことや、無呼吸症候群が診察でみつかったことや、いろいろ心身の疲れが蓄積してんだろう、身体が、心が、休ませろと言っている。

ウトウトっとすると、電話が鳴っていた。

ハッと目が覚めた。やばいと血の気が引いた。もしやっと時計を見た。しまった・・・と愕然となった。時計の針は8:25を差していた。

完全に寝坊した。

スマホの表示はスタッフだった。すぐに出て「ごめん。すぐに行く。」とドアを開けて、事務所に降りていった。スタッフが3名来ていた。


寒い事務所

事務所ドアに鍵を差し込み、ドアを開けて入った事務所は冷えていた。電気をつけて、あとはスタッフに任せて、僕は着替えに帰る。

急いでデイルームに向かうと、スタッフは僕をそっとしておいてくれた。批難するでもなく、いじるでもなく、そっとしておいてくれた。普段どおりに話をしてくれたのが、気持ち救われた。

イライラされても、怒られても文句は言えない状況だけど、全くそんな事はなくて、立ち上がる空間は静かなものだった。感情のザワツキもなく、僕はそんな雰囲気に少し安心した。

ここ最近の僕の多忙を知っているから、そっとしておいてくれるんだなと思った。


AIと競争社会の違和感

「ここ最近は、ChatGPTを使って書類を作ている。情報を投げて、それを元に「居宅サービス計画書を作れるか?」と問いを投げると、だいたいのものが出来上がってくる。

考えるというプロセスをすっとばせるので、僕としては仕事でChatGPTを活用するのは、効率的だと思っている。ただ、作業は早い。だけど、肌感覚では、まったく楽にはならない。むしろ以前よりも、いつも時間に追われていて、お金に追われている。そして焦りが沸き上がる毎日だ。

Youtubeを見ていると、ChatGPTを使って仕事をする人が、競争に勝てるとか、生産性が上がるとか言っているけど、聞けば聞くほど、反対に焦りが出てくる。社会から遅れをとらないように、AI活用して、更に生産性を上げなきゃいけない。そんな圧が大きくなってきている。

AIの登場で、競争は激化の一方で、格差が生まれて、遅れをとらないようにと、常にアンテナをはっている。

次第に、疲弊して、摩耗して、競争から降りたいと思うようになった。


D払い停止の衝撃

朝は寝坊して、水一滴さえも口に入れていなかったので、口がカラカラだった。身体も自分のものじゃないようで、頭も糖分が足らず、モヤがかかったように、フロントガラスから見える景色が現実離れしたようで、色あせて見えた。

コンビニに寄り、高額な不味いホットの午後の紅茶を購入した。バーコード決済でスマホを店員に差し出して、確かに決済が終わったはずだったが、車に乗り何気なくスマホを見ると、「決済されませんでした。」とエラーメッセージが出ていた。

ん?と思ったが、思い当たる節があった。10日の引き落とし日に、引き落とされるはずの金額が、残高不足で引き落とされないままでいた。28日時点では、引き落とし額は入っていたはずだけど、保険更新などの引き落としがあり、残高不足になっていた。

慌てて10万を振り替えて、今日の朝には支払いは澄ましていたのだが、まだDカードは凍結されたままということだろう。

ということは・・・。僕はさっき決済したはずだが、エラー表示がでていたということは、この午後の紅茶は、タダ飲みしているってわけか?

店員も何も言わなかったものだから、僕はそのまま出てきて、車を走らせてしまってはいるが、もういまさら戻るのもなんだし、結果的に万引きする羽目になってしまった。

しかし、働いて働いて、本業の他に、副業もして、投資もして、家賃収入もあるのに、残高不足で支払いを飛ばしてしまうとは、なんだか綱渡りしている気分になる。

ギリギリを歩いていて、どこかでミスロードがあれば、一気にこけてしまいそうな、そんな危うさを感じる。インフレの波が日本にも直撃して、確実に生活に影響が出ている。こんな事は初めてだ。

僕の人生のなかで、金がピンチという状況は、未体験ゾーンに足を踏み入れている。

これは本当にヤバい。


農業への憧れ

昨日、施設の紹介の営業マンと一緒に利用者さん宅を訪問した。長谷川くんと、その先輩の石屋くん。長谷川くんは28歳だったか、パーマをかけた元気な青年だ。石屋くんとは今回初めて会った。その石屋くんが、和歌山に柿畑をもっているとのことで、農業をしながらサラリーマンをしていると話していた。

道中、車の中で話していると、石屋くんはアニメオタクですと自己紹介していた。なかなかに面白い44歳で、ライブを観に行くのが趣味ですと言っていて、なんとラブライブのライブを観に行くそうだ。

ここでラブライブの話題が出てくるとは、思いもよらなかったが、僕は石屋くんの生活に憧れを持った。どちらが本業かわからないが、サラリーマンをしながら、農業をして、趣味のラブライブを観に行って、好きな事をして暮らしている。まるでスローライフだ。

結婚はしていないそうだが、彼の生き方がどのようなものなのか、初対面だったので計り知るには、まだまだ時間が必要だけど、それでも少し羨ましく感じた。

競争社会と一定の距離をとり、趣味を持ち、農業という自然を相手に土いじりもしている。だからなのか、話し方は落ち着いていて、ゆったり生きていますという質感も余裕も感じられた。

隣の芝は青く見えるというが、本当に青々しているように見えてしまった。


夜勤とカレー

仕事はだいたい終わり。帰りの送迎も終わりデイルームに帰って来た。

するとスタッフが夜勤用のカレーを作ってくれていた。利用者さんの晩飯にもなるので、後から作ろうと材料を買っていたのだけど、それを見たスタッフが「主任、私が作りますよ。少し休んでいてください。」と気を効かせてくれた。

さすが女性というべきか、ジェンダー思考からは、ひとつもふたつも距離をとってはいたが、手際よくカレーを作る彼女の姿を見て「さすがだな。」っと思ってしまった。

しかも彼女は髪を後ろに括っていたが、そのうなじの見える髪型が、昔、その厨房で立っていた別れた妻と重なった。一瞬、え!?と驚き2度見してしまったが、やっぱり妻じゃなかった。

顔も体系も、歳さえも違うのに、別れた妻がそこに立っているように見えたのは、やっぱり疲れているんだなと感じた。

少し多めにカレーを作ってくれていたので、僕は息子にLINEを送り、今晩はカレーライスですが食べますか?と聞いてみた。

「おっけー」

「さんきう」

っと2言の返信があった。息子らしい・・・。


言葉が意味を成さない

息子がいつものように話していた。

僕は空になったカレーライスの皿を洗っていたが、それでも息子は僕の横まできて話続けていた。ちょっとは洗うのを手伝ってくれよと思ったが、僕は頼むのも面倒なぐらいに疲れていた。

伝える意欲がどうしても湧かなかった。もうひとりでやってしまったほうが簡単だった。

息子は、すぐ横で話しているのに、遠くのほうで話しかけられているように感じた。言葉は耳にはいってくるんだけど、音が響いているようで、言葉が意味をなさなかった。理解しようにも、言葉の意味を整理する意欲すら湧かなかった。

ただただ集中力もなく、根気もなく、手に泡立つ洗剤もまとわりついてきた。お湯で流しても、流しても、ぬめりが残っているように感じた。

息子の声は、僕にぶつかってくるが、それを受け取る事が出来なかった。もうこれでいいわと思った。今日は聞くだけでもいい。考えがまとまらない。

疲れには勝てないわ。


身体を休める

今から夜勤で、いつもならマットを床に敷いて堅いところで仮眠をするんだけど、もう今は耳鳴りもしてきている。ゆっくりと身体を休めたい。

だから少し面倒だけど、簡易ベットで寝る事にした。無理するのはやめて、耐えることもやめて、回復を優先させようと思ったからだ。身体が回復すれば、このなんともいえないネガティブなものも消えるだろう。

この選択が明日に繋がればいい。明日は徹夜明けの日勤が待っている。スタッフの子どもが病気になって、それでも出勤出来たらするとか言ってたけど、休めるのか、休めないのか、ぐらぐらと迷いながら待っている事が、正直しんどい。

もう明日は出勤だと諦めたら、身体はしんどいだろうけど、気が楽だ。休めるかもと思いながら、やっぱり休めなかった・・・、が一番堪える。

もう明日は仕事だと諦めたから。だから今夜はベットで寝る。


ありのまま

久しぶりにネガティブな空気が立ち上がった日。

疲れがたまり寝坊して、残高不足でバーコード決済使えなくて、急遽の夜勤が入り、そしてスタッフの子ども病気で、土曜日の休みが無くなり、疲れに疲れて、さらに疲れて、頭の後ろの血管が脈打つのが聞こえてきた。

身体が悲鳴をあげていると、心も余裕がなくなる。それに経済的な余裕がなければ、気持ちが荒んでくるし、休みだと期待としたものが失望に変われば、どんな前向きな人だって、愚痴にまみれて自己嫌悪もするだろう。

それでも明日は来るのだから、せめて体の疲れを取ろうと思う。それが一番現実的に、今できる事だ。

やるせない感じを抱えるのもいい。悲しい気持ちが込み上げてくるのもいい。ため息をつきたくなるのもいい。今の気持ちを否定すれば、明日も、明後日も否定が続く。

ありのままの今の自分を受け入れる。

それでいい。それで。

HOLLOW HUNGER

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この記事を書いた人

福祉事業の経営をしてます。①小規模多機能のケアマネ②現場の介助③厨房で料理作り④体操教室など地域ボランティアをしています。
「やってみる」を軸に人生の幅を広げます。ウインドサーフィン・登山・カメラ・バイクはSV650・競馬・FX・株式投資・投資信託などなど。体験を記事にしています。

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