宇宙の中心にあるもの

誰かの軸じゃなく、自分の呼吸で立ってゆくために
まだ形にならない、僕の世界を掘り起こす時間

目次

輪郭がなかった自分

昔の僕は、自分という輪郭がほとんどなくて、
世界を見るときも、どこかで君を通して見ていた気がする。

君が横にいてくれて存在ができたような
そんな曖昧な立ち方しかできなかったような気がする。

6年前、君がいなくなったとき、
僕は支えを失って思考が止まり、
世界の見え方が一度、静かに崩れた。

君の代わりはいない

代わりの誰かを探して埋めようという発想もなくて、
20年以上の時間が僕に染み込んでいた分だけ、
君の不在は簡単に塗り替えられるものじゃなかったんだよ。

だんじりの仲間が無理やり紹介してくれた時もあったけど
無関心ぶりに相手の子も怒って帰ってしまったよ。
仲間はそんな僕を見て怒っていたけど、僕は君の代わりを埋める気はなくてね。
「女はいらない」と言ってるのに、わけがわかんないよ。

だからこそ、僕は自分で立つ方法を探しはじめたんだと思う。
他者の評価じゃなく、自分の軸で生きるための世界観を、ゼロから作り始めたんだ。

僕の世界

君がいなくても歩いていける僕であること。
当時はほぼ家にいないくらいに動き回っていたよ。

活動的だなと言われた事もあるけど
誰もいない家に帰るのが怖かったんだ。

そしてカメラ・絵・ウインドサーフィン・ひとり旅・バイクといろいろ手を出して
自分軸を作り始めた頃に息子がやってきた。

それから僕の宇宙

海外留学に行き視野を広めて帰ってきたと思ったら
次に息子が選んだものが服作りときた。

一瞬、なに言っているのかわかんなかったけど
そこから自分の世界観を話してくれるようになった。
「自分の宇宙を深めている」と。

服を作るための世界観だったり、
自分という存在の感じ方だったり、
彼なりの抽象の中に芯のようなものがあるんだよ。
その姿に、僕はまた大きく影響を受けはじめるわけなんだ。

息子のように僕にも僕の宇宙がある。

その宇宙を掘り起こして、
僕の評価軸や生きる軸を静かに育てていく。
そんな予感が、ようやく実感として芽を出しはじめた気がするよ。

君を必要としない宇宙

君を必要としない僕になってゆくことは、
君を遠ざけるためじゃなくて、
君を縛らないための距離でもあると気がついたんだ。

もし僕が君を必要とし続けるなら、
僕は求め続け、求められた君の自由はきっと息苦しくなる。

束縛という影が生まれる限り、
そこに安心は宿らない。
だから僕の宇宙の中心は「安心」になったんだ。

僕はいろいろ学んだよ。
人権意識やアドラー心理学、
課題の分離という考え方。
相手は相手の問題で、僕は僕の問題。
相手の課題に手を伸ばせば支配につながり、
支配は暴力へと変わってしまう、
そんな構造も理解したつもりだった。

だけど、それはあくまで教科書なんだね。
意味がないとはいわないけれど、今の僕には物足りないんだ。
もっと深いところでの「安心」を作りたい。

だから5年通ったDV加害者更生プログラムは卒業。
僕は僕なりの方法で安心をみつけにいくんだ。

君にとっての安心

20年以上、君と暮らし、大きな影響を受けてきた僕という個性は、
一般論の上には乗らない。

安心という言葉ひとつ取っても、
それは「君にとっての安心」であって、
不特定多数に向けた意味ではないんだよ。
そこが僕の世界の出発点であり原点なんだ。

だから僕は、自分の内側で実感として落ちる形を、
もう一度あらためて作り直している。

ライカー副長の航行日誌

まだまだ道半ばで、
どう生きたいのか、
何が好きで何が嫌いなのか、
そんな当たり前のことさえ、
ようやく手触りとして確かめている途中。

その過程で、君に語りかけるようなブログを書いている。

胸の奥が少しあたたかくなり、
呼吸が深くなる。

誰に読まれているなんか関心がなく
誰がどう感じて僕を笑おうとどうだっていい。

君と話をしているような空間が落ち着くんだ。
そして、そんな空間が自分の心を整理する場所になっている。

君と向き合うためではなく、
君を動かすためでもなく、
僕の宇宙を丁寧に掘り進めてゆくために、
ただここに今日もブログを書いているんだ。

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この記事を書いた人

福祉事業の経営をしてます。①小規模多機能のケアマネ②現場の介助③厨房で料理作り④体操教室など地域ボランティアをしています。
「やってみる」を軸に人生の幅を広げます。ウインドサーフィン・登山・カメラ・バイクはSV650・競馬・FX・株式投資・投資信託などなど。体験を記事にしています。

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