息子とIKEAへ
仕事は休みの日…のはずなんだけど、朝と夕方だけは職場に行かなくちゃいけない。
だから一日まるごと自由というわけではない。
動けるのは昼の間だけ。
せっかくの空き時間なので、息子を誘ってIKEAへ。
家具や小物をいくつか揃えることにした。
テーブル、鏡、食器、タオル、シャワー室の入り口に置くマット、照明…。
カートがいっぱいになるぐらい買った気がする。
買い物の間、息子はよく話す。
政治、移民問題、ルイヴィトンの美術館の感想、彼女のこと…。
話題があちこちに飛んで、止まる様子がない。
僕の集中力はそう長く続かないので、脳が少し疲れてくる。
でも、聞いているうちに息子の頭の中が見えてくる気がした。
息子の考えは
彼の考えは、海外に向いている。
海外向けの服を作って売りたいらしい。

これは韓国の友達の影響だな
週5日、時間を拘束される働き方はバカバカしいと思っているようだ。
個人の力を重視して、物づくりで勝負をかけたいとも言っていた。



枠にはまるというのが性に合わないらしい
服づくりでは、平面から立体へと考えるのに苦手意識があるそうだ。
それでも作っている時間は、生産している実感があって楽しいらしい。



やっと夢中になれる事がみつかったようだ
息子のカタチ
話を重ねるうちに、息子の形が少しずつ見えてくる。
どうやら彼は、自分の考えを言葉にするのが得意ではない。
だから僕と話すことで、自分の好き嫌いや考え方を整理して、自分の形を見える化しているようだ。



僕は息子にとって、鏡のようなもんだな。
自分の形を知ることは大切だと思う。
得意不得意、好き嫌い、自分の特性を知っておけば、それが強みになる。
何に幸せを感じるのかがわかれば、努力の方向も定まるはずだ。
重ねて書くが、今、息子は物づくりに夢中だ。
時間のすべてをそこに注ぎ込みたいようだ。
僕のところに来たのは、時間を邪魔されず打ち込む環境が欲しかっただけという話だ。
母親が嫌いだという話じゃないことが良く分かった。



少し安心したよ
寝食を忘れるぐらいに熱中できるものが見つかったことは、ひとまず良かったと安心している。
同級生が大学を卒業するころまでは、遊びの時間としていろんな経験を積めばいいと思う。
その経験がきっと糧になって、次のステップにつながるはずだ。
濃密な時間を過ごしている息子を見て、僕は静かに安心している。